男性不妊が年々注目されています。受精卵は精子と卵子の両方から成立しています。そのため不妊症における男性因子も約50%あるとされています。近年、日本生殖医学会でも男性不妊の演題が増加傾向にあります。男性不妊症の原因は造精機能障害が83%そのうち原因不明が56.1%、精索静脈瘤が35.9%その他が8.0%〈1998年厚生労働省分担研究ー白井班ーより〉男性不妊症の約半分は原因不明と言われているのはこの数字が根拠となっているようです。男性側の要因として乏精子症、無精子症、精子無力症、性交障害、射精障害が挙げられます。しかし、現状では原因や病態を特定できない原因不明不妊が25%~50%存在すると言われています。
男性不妊鍼灸治療における効果(過去の症例による実例より)
- 精子の運動率などが向上
- 受精確率が上昇
- 受精卵の質が上がる
- セックスできる回数が増える
- 疲れにくくなった
- 眠りが深くなった
- 身体が軽い
- EDが改善された
- 気持ちが前向きになった
- 自然妊娠に至ったなど
WHOの検査基準(WHOラボマニュアル-ヒト精液検査と手技-5版)
精液量 | 1.5ml以上 |
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精子濃度 | 1500万/ml以上 |
総精子数 | 3900万/射精以上 |
前進運動率 | 32%以上 |
総運動率 | 40%以上 |
正常精子形態率 (厳密な検査法で) |
4%以上 |
白血球数 | 100万/ml未満 |
上記の精液検査で問題が合った方の実際の生活における改善策
- 体質を考えた食生活
- 睡眠時間の確保
- ストレスの除去
- 軽度の運動
- 陰のうを温めない
男性不妊鍼灸治療ではどこに対して効果的な可能性があるのか。
上記で挙げているストレスの除去という点にアプローチが可能であると思います。
現代における男性は多大なストレスにさらされています。
不妊症に悩みの男性に以下の2つ以上当てはまる場合は当院でお手伝いできることがあります。
- 長時間労働
- 運動不足
- 暴飲暴食
- 体重増加
- 疲れを感じている
- 身体が重い
- イライラしている
当院では女性に対する不妊鍼灸治療を行っていますが男性も来院されるケースも年々増えています。不妊鍼灸カウンセリングしていると男性も夜遅くまで労働(過労)、夜ご飯が遅い、暴飲暴食、肥満傾向の方もいます。
近年男性も強いストレスを日々受けています。疲れを感じている方が多いです。朝起きたときの身体のダルさ、倦怠感、慢性疲労症候群のような症状を感じている方もいます。
男性不妊鍼灸における代表的な東洋医学的見解
腎虚(じんきょ) | いつも眠い、冷え性、元気がない |
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脾虚(ひきょ) | 食後強烈に眠くなる、慢性下痢、胃腸が弱い、甘いものが大好き |
肝鬱気滞 (かんうつきたい) |
イライラ、慢性疲労感 |
瘀血(おけつ) 血瘀(けつお) |
皮膚が黒っぽい、血が滞る、肩こり、頭痛 |
湿熱下注 (しつねつかちゅう) |
飲み会が多い男性に多い、痰が多い、頭が重い、軟便、浮腫む、体が重い、体臭がキツい |
代表的な例を挙げましたが、一人一人身体は異なるので、問診や体表観察を通じて分析していきます。
当院は女性専門の不妊鍼灸ではないので奥様とご一緒に通院することも可能です。
お困りの方はぜひご相談下さい。
不妊症のデータなどは一般社団法人日本生殖医学会「生殖医療の必修知識」を参照しております。