しびれの原因
しびれを引き起こすものとしては、中枢神経系、末梢神経系、悪性腫瘍、また膠原病・糖尿病などの内科的疾患や化学薬品・薬物による中毒などが要因となって末梢神経が侵される多発性神経炎によるもの、末梢の血行障害によるものなどがあります。
中枢神経系とは神経細胞が集まって大きなまとまりになっている領域で人間だと脳と脊髄が中枢神経となる。
中枢神経系によるしびれ
脳出血・脳梗塞などの脳の障害では、しびれは体の左右半分のどちらかに現れます。ただこの疾患は軽度の場合以外はしびれだけでなく同側の手脚の感覚・運動麻痺や、ろれつが回らないなどの症状を伴うことが多いです。
末梢神経とは神経系のうちで中枢神経系(脳・脊髄)以外のものを指す。神経線維と神経節によって構成されている。機能的には、体の知覚・運動を制御する体性神経系と内臓・血管などの自動的制御に関わる自律神経系とに区別される
末梢神経によるしびれ
三叉神経は顔面皮膚、さらに三枝がそれぞれ眼球、舌、歯髄の知覚を司り、この神経が障害を受けると、これらの領域にしびれが起こり、ひどくなると激痛が走ります。
また脊髄神経は、頚髄・胸髄・腰髄・仙髄・尾髄から左右それぞれ8対、12対、5対、 5対、1対ずつ出ており、それぞれが決まった領域の皮膚に対応しています。
この脊髄神経やその神経根が圧迫などの障害を受けると、その障害を受けたレベル、もしくはそのレベルより下位の領域に感覚障害が出現します。
これら脊髄神経はやがて体の末梢へ行くにしたがって皮神経として皮膚に分布しています。腕枕によるしびれは、腕にある橈骨神経の支配領域に知覚異常や運動麻痺が現れた結果です。
鍼灸適用のしびれとは?
上記に挙げた、中枢神経系によるしびれ以外はほぼ全てが適用です。
鍼灸適用の痺れ(しびれ)の多くは、筋肉の緊張や骨格の歪み、血流の滞りなどから起こります。痛みが弱くなったのがしびれです。身体の動きでみると可動域が制限されていたりすることもあります。しびれで来院される方は、専門職(手仕事)や長時間座っている方です。首肩こりから来るしびれが圧倒的に多いです。もちろん人よっては足のこともあります。しびれ感を訴える職業としては、美容師、ネイリスト、歯科医師、外科医師、カメラマン、衣装製作、など繊細な手仕事により腕、指先などのしびれや違和感を訴えます。また長時間座っている方でも腕のしびれ、手のしびれ、足のしびれ、を訴える方も非常に多いです。
東京渋谷にある鍼灸整体、ふくもと治療院の患者さんでも「首こり、肩こり、頭痛などが慢性的に昔からあり、ついに時々手がしびれるような感じがする。」と初診のときに仰った方がいました。これは徐々にコリが進行している証です。コリにより神経が圧迫され、しびれ感が出てきてしまったのです。鍼灸治療を行っていく中で徐々にしびれ感は無くなっていきました。
しびれは圧迫を解放させてあげるようにすれば良くなるので、1ミリでも1ミクロンでも体にゆとりができ、コリから解放されたり血流が改善すると良くなっていきます。
病院に行きMRIなどで異常なしでも残るしびれ感にも対応します。
医学的初見で検出できないようなミリ単位でも神経に触れていると本人は違和感があります。しびれ感は感覚的なことが多いです。その場合は私たちのような鍼灸治療の領域です。
医師から手術しかない、手術を行うか悩んでいる方はまず鍼灸治療を試してみる価値はあるかもしれません。そこで少しでも改善する余地があれば避けられる手術もあります。
米国で有名なメイヨークリニックでもしびれ、痛みに対して鍼灸治療が取り入れられています。科学的なエビデンスは欧米における鍼灸治療の普及をみても一目瞭然です。
このように世界では鍼灸は病院でも多く取り入れられています。私たちも鍼灸治療を通じてしびれ改善の可能性を感じています。