AMH＝「卵巣年齢」ではない！

2020.08.13

AMHとは

アンチミューラリアンホルモン（または抗ミュラー管ホルモン）の略で、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。

卵巣の中に、これから排卵にむけて発育する卵胞が、どのくらいあるのかを知ることが出来ると言われています。

その為、AMHは卵巣予備能（※）の目安となる評価指標で、不妊症治療領域では近年話題になり注目されています。

（※卵巣予備能とは、卵巣の中に残っている卵子の目安のことです）

AMHの数値が表すのはあくまでも卵子の在庫の目安であって、その卵の質がいいか、順調に育つかは年齢に一番よく相関します。

卵子の老化は実年齢に比例するのです。

渋谷にある鍼灸整体、ふくもと治療院に妊活の為に来院した方も、

「AMHの数値が低くて、ショックを受け焦っています。」と仰る方がたくさんいます。

本当にAMH＝「卵巣年齢」なのでしょうか？

今回は、AMHについて掘り下げていこうと思います。

AMHの測定

不妊クリニックなどでは、問診後に測定キットを使用し血液検査で測定します。

AMHの測定の特徴と問題点

AMH測定で最も注意すべきことは、その変動係数の大きさです。

通常のホルモン測定では、数％が一般的ですが、AMHの測定では３０％ぐらいの変動が生じてしまうのです。

妊娠中の変動、日内変動、卵胞期と黄体期の変動など短期的な変化について色々な報告はあるが、

本来、AMH測定に臨床的意義はあまり認められない。

（一般社団法人日本生殖医学会　生殖医療の必修知識）

AMHの基準値

AMHに平均値や中央値はあるものの正常値は測定できません。

どの年代においても、AMHが０の人が存在し、測定値は正規分布しません。

特に３０代では、年齢とAMH測定値は統計的に相関しません。

したがって、正常値を測定するという発想自体に無理があります。

また不妊患者さんだけではなく、妊娠した人、不妊症でない人のAMH測定値も同様の分布を示します。

ですので、「卵巣年齢」という説明の根拠はないのです。

AMHの臨床的有用性とは

多嚢胞性卵巣症候群の方は、AMHが高値を示す傾向にあります。

また、卵巣膿腫や子宮内膜症などで、切除手術を受けた方は、AMHが大きく低下する傾向にあります。

今後、手術だけではなく化学療法ににおいても、妊孕性の温存についてAMHがその評価の中心になると思われています。

AMHについてのまとめ

AMH数値には大きく変動があり、不妊治療において「AMHが高い、AMHが低い」で一喜一憂する必要はありません。AMHの数値だけで、ステップアップを焦る必要もありません。

ましてや、『AMH＝卵巣年齢』とは、間違っても言えません。

大事なのは自分の実年齢と向き合い、ご夫婦で人生設計について話し合い、今何が必要なのかを見極めてもらいたいです。

渋谷にある鍼灸整体、ふくもと治療院では、体を整えることで妊娠のお手伝いが出来ると感じております。

ふくもと治療院での不妊鍼灸臨床症例

年齢的なこと、他の検査ではご夫婦共に問題がないことを踏まえて、半年自然に妊活に取り組んでみたらどうか？とお話させていただきました。

ふくもと治療院で鍼灸整体術をしてから一回目の周期で、嬉しいことに自然妊娠されました。

この方だけでなく、そういった方が直近で４人ほどいます。

私がここでお伝えしたいのは、「体を変えると結果が変わる」という可能性があることです。

健康体であれば、妊娠可能となると思って日々患者さんと向き合って臨床しています。

昨日も、今後のクリニックでの治療に悩んでいる患者さんとお話をしました。

皆さん一人一人が抱えていることがあります。

個を尊重しながら、必要な情報を提供していくことが大切です。

私は包み隠さず真実をお伝えします。

 

※最近は不妊症や不妊治療というキーワードが身近になっているのか、とある（名前は挙げませんが）不妊治療のクリニックに行くと原因不明不妊と言われた２６歳や３０歳でも積極的に高度生殖医療（AMHの数値によって）をすすめるクリニックも存在しています。

※高度生殖医療を否定するつもりは全くありません。救われている方もたくさんいらっしゃいます。

しかし、不妊治療のクリニックも選んで行かないと大変なことになるというのは間違いありません。

 

渋谷にある鍼灸整体、ふくもと治療院では、体を整えて自然妊娠を狙っていくことが可能になることもあります。

自然妊娠したい方や、なかなか結果が出なくて悩んでいる方はぜひ一度ご相談下さい！