「流産を防止する東洋医学的な対策を考える」渋谷にある鍼灸整体ふくもと治療院での、流産後から続く腰痛と浮腫みの症例
流産は女性の中でも最も辛い体験だと思います。妊活中の方も化学流産、稽留流産、死産、中絶など生命の誕生が成り立たないことを経験する方もいらっしゃいます。妊娠初期の流産は染色体の異常のことがほとんどですが、流産を繰り返す方もいます。
今回は流産について書いていきます。
流産とは
妊娠したにもかかわらず、妊娠の早い時期に赤ちゃんが亡くなってしまうことを流産と言います。定義としては、妊娠22週(赤ちゃんがお母さんのお腹の外では生きていけない週数)より前に妊娠が終わることをすべて「流産」といいます。
妊娠22週以降の赤ちゃんの死亡は死産と呼ぶようになります。
流産の頻度
医療機関で確認された妊娠したカップルのうち約15%が流産になります。流産の約85%は妊娠12週までに起こります。
6人に1人の女性が流産経験者と言われており、多くの女性が経験しています。
まだ不明な点も多いですが、多くの場合、染色体異常が考えられます。
また流産は、ハイリスク妊娠(高齢出産など)の女性が起こしやすい疾患の一つといわれています。
流産率は35~39歳で約20%、40~44歳で約40%と上昇します【下図】。
※下記グラフは日本生殖医学会「生殖医療の必修知識より抜粋」年齢と流産のデータ
排卵誘発剤と流産の関係
不妊治療をしている方だと、かなり多くの方が飲んだことがある薬ではないでしょうか。
クロミット(クロミフェン)は排卵誘発剤として、経口投与する薬です。
この薬は脳に作用して、卵巣を刺激するホルモン(FSH)の分泌を促す事により、間接的に卵胞の発育、ひいては排卵を促しますが、「子宮内膜が薄くなる」、「経管粘液が減少する」などの副作用があります。
クロミッドの使用期間が長くなるにつれて、その発生頻度が高くなります。
また、この薬を用いて妊娠した場合には、通常の妊娠より流産率が少し高くなると言われたりもします。
東洋医学の流産の見方
東洋医学では、生殖をコントロールしている臓器を「腎」と「脾」にあると考えます。
「腎」といえば、体から不要な物質を膀胱へ運んで、尿として排泄する腎臓を思い浮かべると思いますが、東洋医学ではその機能以外に、生殖や成長・老化・ホルモンの分泌や免疫全般などを司るとされています。
ですから不妊治療や流産に関しても、「腎」と「脾」の働きが左右すると考えるのです。
生殖能力と最も深い関わりがある腎に蓄えられた「腎精」が尽きると生命も尽きると考えます。
もともと生まれた時に親から貰った「腎」のエネルギーが不足している先天的なことや、日常生活の不摂生や加齢などの後天的なことから「腎」の機能が低下すると「脾腎両虛(ひじんりょうきょ)」となり、不妊や流産傾向になりやすいです。
脾腎両虚(ひじんりょうきょ)
脾の陽気が不足し運化が低下すると消化能力・津液輸送の障害が起り、筋肉の緊張減衰や栄養障害が現れます。
長びくと全身的な栄養不良となり血虚の症状から「気血両虚(きけつりょうきょ)」となったり、腎へ及び「脾腎両虚(ひじんりょうきょ)」が生じる。
飲食の不節制・ストレス・睡眠不足・夜型の生活・病気の長期化・先天性の虚弱によって起こります。
脾腎両虛を補うには
①睡眠時間の確保
22時から26時は、成長ホルモンのゴールデンタイムです。
この時間にしっかり睡眠をとることが大切です。
②食事
和食中心で色の黒い食材を積極的にとることをお勧めします。
黒豆、黒米、ひじき、わかめ、昆布、焼き海苔、長芋、レンコン、ごぼう、なめこ、クコの実など。
③湯船に浸かる
半身浴もいいですが、毎日しっかり湯船に浸かり下半身の「気血」の巡りをよくすることも大切です。
渋谷にある鍼灸整体、ふくもと治療院での流産後の不調の症例
36歳女性。
主訴は、第2子流産を経験してから腰痛が続いて、浮腫みなど身体の不調で当院にいらっしゃいました。
身体を診させて頂くと、全身がこり固まっているのを感じました。
全身が硬緊張しているので、「気血」の流れの悪さを感じます。
腰痛やむくみの症状は、流産後から発生しているのでご本人は時を待つしか無いと思っていたようです。
しかし、数ヶ月経過しても変化がなく、むしろ悪化してきたので受診されたとのことです。
全身の緊張を取り、「腎」を補っていくことを念頭に置き施術。
数回施術すると身体に変化を感じ、腰痛もほとんど感じない程度までになりました。表情も明るくなりました。
流産後はホルモンのバランスが大きく変化し、「腎」と「脾」のエネルギーも消耗します。
精神的にも身体にも負担がかかるので、早めに身体を整えておくことが必要です。
少しでも身体に違和感を覚えたら、ケアすることが未然に病気を防ぐことに繋がります。
おわりに
流産を経験した女性にとって、流産は人生でとても辛いことの一つと言っても過言ではありません。
しかし、流産は決してまれなことではありません。流産の原因を正しく理解することが重要です。
妊娠初期の流産の多くは、赤ちゃん側に原因があり、残念ながら防ぐことが難しいようです。
流産という悲しい事実も、私たちが生物である以上、受け入れなければならない命の営みです。そうであるからには、それを乗り越える能力も備わっているはずです!
このブログがいつか誰かの役にたちますように。
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