【鍼灸師が教える東洋医学の基本】『陰陽論』全てはバランスが大切だった!
皆さまこんにちは。
さっそくですが、下記のマークは見たことありますか。
Tシャツ等で見たことがある方は
このマークを使用しているTown&Country(タウン&カントリー)というサーフブランドかもしれません。
このマークは『太極図(たいきょくず)』と言います。
陰(黒)と陽(白)を表しています。
【陰陽】(いんよう)と言うワードがでてきました。
ご存知ですか。
東洋医学には「あらゆるモノはふたつの性質を持っている」と言う考え方があります。
もう一度マークを見てみましょう。
白と黒が混じり合っているかと思います。
真っ二つ別れているわけではなく混じりあい
陽の中に陰があり、陰の中に陽があるのがわかります。
100%陰になる、100%陽になることはないということ
陰と陽が相互依存しているのがわかります。
太極図(たいきょくず)は、太極を表すための図案。
陰陽太極図や陰陽魚とも呼称されます。
太極のなかに陰陽が生じた様子が描かれています。
この図は古代中国において流行して道教のシンボルとなりました。
白黒の勾玉を組み合わせたような意匠となっており、中国ではこれを魚の形に見立て、陰陽魚と呼んでいます。
この陰陽魚の太極図の作者は不明です。
詳しくはこちら
例を上げると
陽 | 男 | 天 | 明 | 上 | 左 | 奇数 | 熱 | 表 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
陰 | 女 | 地 | 暗 | 下 | 右 | 偶数 | 寒 | 裏 |
人間の中に男性・女性があり、
偶数や奇数があったり、
コインの表・裏だったり等々。
陰陽の定義
【対立と互根】とは?
・陰陽はそれぞれ正反対の性質をもっている。
しかし、一方が欠けるとその意味は失われる。
※上下のような関係ですね。
上があるから下がある、上がなければ下もありませんからね。
このことを【対立と互根】といいます。
【対立と制約】とは?
・陰は陽をおさえ、陽は陰をおさえる力をもつ。
お互いに働くことでバランスが保たれる。
このことを【対立と制約】といいます。
【消長】とは?
・あるときは大きく(長)、あるときは小さく(消)増幅・減衰を繰り返す。
あるものの(量)的な変化をさす。
※冬から春・夏へ移り変わる(陰消陽長)
このことを【消長】といいます。(消長は「減少と増大」のこと)
【転化】とは?
・「陽が極まると陰になり、陰が極まると陽になる」
増えたものはいつかは必ず減り始める。量的なバランスが一定を超えると(質)的な変化が起きる。
※春の温かさは夏の極点を超えると涼しくなる。
このことを【転化】といいます。
陰というと悪いイメージと思われる方もいるかも知れませんが、
陰陽には良い悪いはありません。
常にバランスを整えることが大切です。
例えば、農作物を育てる場合、「陰」が強くなり、雨ばっかりだと農作物が腐ります。
「陽」が強くなり、晴ればかりだとでも農作物はうまく育ちません。
そうです、「陰」「陽」がバランスが取れないと豊かな実りが得られません。
陰陽に分けることによってカラダのバランスがどのような状態なのかを見ることができます
人体における陰陽の分類
陽 | 体表 | 背部 | 臓 | 外 | 気 | 津 | 熱 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
陰 | 体内 | 腹部 | 腑 | 内 | 血 | 液 | 寒 |
※背部・腹部は四足動物を思い浮かべてください、
太陽が当たる面(背部)が陽、太陽が当たらない面(腹部)が陰となります。
※臓腑は下記に分類されます。
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 | (心包) |
---|---|---|---|---|---|---|
六腑 | 胆 | 小腸 | 胃 | 大腸 | 膀胱 | 三焦 |
五臓:現代医学の解剖学的具体的臓器そのものではなく、精・気・血を備蓄する蔵するという機能の総称である実質性臓器。陰陽の陰に配当される。
六腑:臓とは異なり空間のある構成で精・気・血を動かす働きをする中腔性臓器。腑はすべて陽に配当される。
陰証・陽証(陰陽)のカラダの特徴
陰証
- 顔色が蒼白
- 食欲不振
- 四肢の冷え
- 低体温
- 語勢が弱い
- 無気力
- 脈が遅い
- 下痢気味
- 温めると症状が軽減する
陽証
- 顔面が紅潮、目が充血
- イライラ
- 高体温
- 語勢が荒い
- 呼吸が荒い
- 胸苦しさ
- 熱っぽい
- 脈が早い
- 便秘気味
- 冷やすと症状が軽減する
タイプ別陰陽バランス
健康とは陰陽のバランスが取れている状態を示します。
陰・陽が正常値よりも高い状態のことを「実証(じつしょう)」といい、
陰・陽が正常値よりも低い状態のことを「虚証(きょしょう)」といいます。
陰陽のバランスが崩れている状態を4つのタイプに分けることができます。
1.陽盛(ようせい):陽が正常値よりも高い状態【実熱(じつねつ)】タイプ
辛いもの、お酒、高カロリーなものを摂取する方、エネルギーが過剰な方
身体を温める力が旺盛、生理的範囲を超えた熱
# 症状
- 身熱
- 顔が赤い
- 口がかわく
- 冷たい飲み物を好む
- 尿が濃く、量が少ない
- 便秘
- 脈が早い
- 舌の色が赤く苔が黄色い
# 治療
余分な陽(熱)を取り除くこと
辛いもの(とうがらし)、お酒、高カロリーな食事は熱を生み出すためやめる。
汗をかくウォーキングなどの有酸素運動がよろしいかと思います。
2.陰盛(いんせい):陰が正常値よりも高い状態【実寒(じつかん)】タイプ
冷たいものの食べすぎ、飲みすぎ、エアコン・気候などによるカラダの冷え
# 症状
- 寒がり
- 四肢の冷え
- 顔が青白い
- 腹痛
- 下痢
- 尿が薄く、量が多い
- 脈が遅い
- 舌が青い
# 治療
余分な陰(寒)を取り除く。
発汗などにより余分な寒を取り除きカラダを温める。
常温以上の飲み物を飲む。
エアコンなどが効いている場合はストールなどで首の後ろを冷やさないようにする。
汗をかくウォーキングなどの有酸素運動がよろしいかと思います。
3.陽虚(ようきょ):陽が正常値よりも低い状態【虚寒(きょかん)】タイプ
過労、運動不足などによってカラダを温める力が不足している状態
# 症状
- 冷え性
- 顔が青白い
- むくみやすい
- 頻尿
- 夜間尿
- 軟便
- 下痢
- 舌がむくんでいて、歯型がついている
# 治療
不足している陽を補い、カラダを内側から温める。
汗をかくウォーキングなどの有酸素運動がよろしいかと思います。
4.陰虚(いんきょ):陰が正常値よりも低い状態【虚熱(きょねつ)】タイプ
過労、徹夜、寝不足、水分不足、辛いもの食べすぎ、カラダを冷ます力が不足している。
弱い熱の症状
# 症状
- のぼせ
- ほてり
- 手足と胸が熱っぽい
- 寝汗をかく
- 便がコロコロで便秘
- 目やのどが乾燥
- 皮膚の乾燥
- 舌が赤く裂け目がある
- 舌の苔がない
- 脈早くて弱い
# 治療
不足している陰を補う。
辛いものは控え、水分補給と栄養のあるものを食べ休養する。
陰陽まとめ
夏は暑いので、冷たいビールやアイスなどが欲しくなりますよね!?
冷たいものはカラダを冷やしますしビールの原料の小麦もカラダを冷やす作用があります。
冷たいものを食べ過ぎたり飲みすぎたりするとお腹を壊しますよね。
逆にカラダを冷やさないように熱いものを食べたり飲んだりしても温めすぎたカラダを冷却するため汗をかきます、汗をかいたままエアコン等でカラダを冷やすと結果カラダを冷やすことに!
なんでもやりすぎはよくありません。
陰陽のバランス良くがイチバンです!なんでもほどほどに!
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