【妊活不妊鍼灸整体30代女性症例】育児中の腱鞘炎、産後不調の原因「腎虚」を改善して第二子を妊娠
これまでの妊活の経過
第一子を出産後、3ヶ月経った頃から腱鞘炎と肩こり腰痛が酷くなり来院。
産後のダメージで肌がガサガサになった。
第二子出産に向けて体力を回復したい。
1回目 産後の腱鞘炎の症状と検査法
産後の腱鞘炎で来院。当院独自の施術前検査法を行なったところ、手首だけでなく、肘、肩、首の関節等も緊張が強く出ていた。
腱鞘炎は産後のお母さんが発症しやすい症状の1つ。赤ちゃんの抱っこや授乳、おむつ替えなどの育児作業によって手首や腕に負担がかかり、炎症が起きる。ほとんどが手首の親指側の腱周辺に炎症が起きるもので、これをド・ケルバン病という。
ド・ケルバン病(腱鞘炎)の症状として以下のようなものがある
・親指から手首にかけて痛い
・親指を広げたり動かすだけで、親指と手首に強い痛みがある
・物を掴んだ拍子に手首に痛みが走る
・親指が動かしにくい(引っかかる)
自分でド・ケルバン病(腱鞘炎)かどうか調べるには、フィンケルシュタインテストという検査法を用いる。
腱鞘炎の検査法「フィンケルシュタインテスト」
親指を握り込むようにグーをつくり、そのまま小指側に手首を曲げる(親指を小指側へ引っ張る形になる)。
(手首が曲げづらい時は、反対の手で親指を掴んで小指の方へ引っ張る)
この時に親指から手首にかけての痛みが増悪すればド・ケルバン病(腱鞘炎)陽性(可能性が高い)となる。
手首の腱に繋がる筋肉、東洋医学で言うと陽明経のツボのライン上を緩めた。また、そこから繋がっている肘、肩、首にかけてを中心に全身を調整。
ド・ケルバン病(腱鞘炎)は日頃の手首への負担や血流の悪さが原因になる。産後は育児中のため手首への負担を軽減するのがなかなか難しく、2〜3ヶ月痛みが続くとされている。
授乳時の姿勢や抱っこ時の工夫を伝えた。
4回目 産後に出やすい腱鞘炎は鍼灸整体治療で防げる
産後のド・ケルバン病(腱鞘炎)の治療を始めて1ヶ月半ほどで痛みが引いた。
痛みは治ってきたと嬉しそうに話してくれたが、当院独自の検査法では引き続き手首、肘、首の緊張が確認できた。手首はもちろん肘関節や首の頭頸関節も緩めておくと、ド・ケルバン病(腱鞘炎)の再発・悪化を防げる。引き続き症状のある箇所だけでなく、全身を調整するよう施術を行う。
17回目 産後に出る不調の原因「腎虚(じんきょ)」
育児の忙しさで2ヶ月ほど施術の間隔が空いた。
いつも通り当院独自の施術前検査法をすると、手首、肘、首の関節が以前より緩んだ状態が続くようになっていた。
しかし、まだ生理周期が乱れ気味。さらに、2週間前から低音の耳鳴りが出るようになったとのこと。
産後の症状として肌がガサガサしていたことも考えると、東洋医学ではこれらの症状を「腎虚(じんきょ)」と判断する。
産後の腎虚の症状
・肌や髪に潤いがなくカサカサする
・白髪や抜け毛が増えた
・耳鳴り
・疲れやすい
・経血量が減った
・夜中にトイレで起きることが多い
・腰痛や膝痛が出やすい
・免疫力が低下して風邪をひきやすい
・虫歯になりやすい
東洋医学で言う「腎(じん)」とは泌尿器(水の代謝)や生殖・生命活動に関わる生理作用を持つ。
「虚(きょ)」とは機能が低下すること。つまり腎の機能が低下すると上記のような症状が出やすくなる。
特に産後は腎虚になりやすい。なぜか?
赤ちゃんはお母さんから「腎精(じんせい)」という生命力をもらって生まれる。後から食べ物で得られるエネルギーとは別の、持って生まれた生命エネルギーのことだ。
お母さんは出産時に赤ちゃんに腎のエネルギーを分け与えるので、産後は腎虚になりやすい。
さらに睡眠不足や母乳での授乳が続くと、腎虚に拍車がかかる。産後の腎虚は改善するまでに時間がかかる。かかる時間は人によるが、この方の場合は回復に約1年半かかった。それだけ出産によるお母さんへの体のダメージは大きい。
鍼灸整体では体の緊張を緩めることや適切なツボにお灸をすることで、全身の血流を良くし、体の回復を早める。
20回目 耳鳴りの原因は腎虚と脇の下の緊張
「耳鳴りがなくなりました!」来院してすぐに嬉しそうに伝えてくれた。
耳鳴りを訴える患者さんに当院独自の検査法を行うと、ほぼ必ず脇の下周辺の筋緊張がある。
私も以前、試験勉強を頑張りすぎて耳鳴りが頻発した時に、脇の下の緊張を整体術で緩めてもらったところ、耳鳴りはぴたりと治った。
ただし、脇の下は血管やリンパ管、神経などが走行している繊細な場所。ゴリゴリと力任せに揉めば良いと言うものではない。セルフケアでは横向きで寝て、腕を上げることで脇の下を気持ちいいくらいに伸ばす方法をお勧めしている。
24回目 産後から続いていた不調が改善
腱鞘炎も耳鳴りもすっかりおさまり、体力が回復したため第二子妊娠に向けてタイミング法を開始。
その後 着床・妊娠
産後、鍼灸整体で体を整え、第二子を考え始めてから約4ヶ月後に自然妊娠した。
所感
二人目不妊にならないために産褥期の過ごし方「産後の肥立」
今回のように、産後は腱鞘炎や腎虚症など、さまざまな症状が起きやすくなる。
出産は交通事故にあった時と同じくらいのダメージが体に入るという話がある。そしてゆっくり休む間もなく、育児による睡眠不足や体の疲労、血液不足(母乳も血液を原料として作られる)が続く。
そのため、何も気にせず普段と同じ生活をしていると体が回復せず、第二子の妊娠までに時間がかかったり、不妊症と呼ばれる状態に陥ってしまう。
合わせて読む→【不妊鍼灸整体】産後の肥立ちって?二人目不妊にならないために産後の肥立を良くする方法
【産後の肥立ちを良くする方法】
休養を取る
体への負担が大きい家事や運動は避け、なるべく安静にして寝ていることが大切。
食事に気を付ける
体は口にした物から作られる。和食中心のバランスが取れた食事で体を回復する。
体を冷やさない
昔から産後は水に触れてはいけないと言われてきた。それくらい冷えは厳禁とされている。
目を酷使しない
これも昔から言われていたことで「出産したら視力が悪くなった」という話も多い。現代において気をつけた方がいいのはスマホの見過ぎ。これは妊娠前から言えることだが、産後の肥立を良くするためにも、スマホはほどほどに、目を休めることが重要である。
母乳の出し過ぎに注意
母乳は血液を原料として作られるため、長期間母乳を与え続けることはあまりオススメしない。母親が貧血になりやすい上に、血液中の栄養素も母乳として使われるため、産後の回復が遅れる原因にもなる。
1人ではどうしようもならない場合は、抱え込まずに当院に来院して欲しい。
ふくもと治療院では幅広い知識と15年で培った技術をもとに、産前から産後のケアまで1人1人に寄り添ったサポートを行なっている。
※効果には個人差があります。
【東京都渋谷区渋谷駅の鍼灸整体ふくもと治療院】
東京・渋谷にある鍼灸整体治療院
ふくもと治療院
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Author Profile
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【鍼灸師】母の病をきっかけに治療家として鍼灸医学自然療法の道を志す。
最高の鍼灸を追求しようと日本各地、中国、韓国に渡る。
5年間の住込み修業を経て、姿勢・歪み治療専門の鍼灸整体院を渋谷桜丘町南平台そばに開院。
全国、海外から訪れる方の鍼灸治療に従事 不妊症、逆子など妊婦さんの鍼灸治療も行う。
「身体の癖・歪みを改善に導くことで自然治癒力を最大限引き出す」