【不妊治療における検査まとめ】
「妊活をする全ての方に知ってほしいこと」「後悔しない妊活のために」
1年間避妊せずに妊娠しない方、これから妊活を始める方でまずクリニックで検査をしようと思う方のために情報を少しでも提供できたら幸いです。妊活を取り組む上で何を事前に知っておいた方が良いのか、10年にわたり妊活に取り組むご夫婦の実績をもとに不妊治療の検査をまとめてみました。
どの診療科にいくべきなのか。レディースクリニック(婦人科病院)不妊治療クリニック、高度生殖医療施設、などを探されると思います。妊娠を望み、避妊をしないで性交をしているにもかかわらずなかなか授からない場合、みなさん原因を探します。
不妊症の原因が何であるかを特定することは治療を行う上でとても大切です。
今回は、不妊治療においての検査についてです。
不妊の原因とその割合は卵巣因子が20.5%、卵管因子が20.4%、子宮因子が17.6%、免疫因子5.2%、男性因子が32.7%という調査結果があります(日本授精着床学会・倫理委員会:非配偶者の生殖補助医療による不妊患者の意識調査)
不妊カップルの約半数は男性側にも原因があるため男女双方の要因を考える必要があり、検査は男性側と女性側で同時に進めていくことが望ましいです。
女性の不妊検査
⒈基礎体温
月経の開始から排卵日までを低温期、排卵してから黄体ホルモンの分泌している時期を高温期と呼びます。妊娠を考えるにあたっては、低温と高温の温度差を考えることが大切です。
具体的には「低温期と高温期に0.3℃以上の差」があれば、標準的な二相性を示しており、正常な排卵が起こっていると考えて問題ありません。しかし、低温期と高温期のバランスが崩れていると様々な不調が疑われます。
測り方は、毎日同時刻に起床し、すぐに体温を測ります。その際、ベッドや布団から動かず、必ず毎回同じ位置=「舌の根の裏」で測ります。
実際に試してみると、起きて直後にチェックする難しさ。そして、毎日基礎体温を測り続ける面倒くささに直面するかと思います。
⒉超音波検査
子宮や卵巣に異常がないかを確認します。変形や腫瘍の有無、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症、子宮内膜ポリープ、卵巣嚢腫などの異常がないかを確認します。
また、不妊治療において重要なのが、子宮内膜の所見です。子宮内膜はその厚さや輝度が月経期、増殖期、分泌期という月経周期に伴い変化します。排卵が近づくと子宮内膜は厚くなり、卵子を包む卵胞は直径約2センチにまで発育します。
これらの変化を超音波で確認します。
また、排卵の時期には子宮の出口(頚管部)から頚管粘液が分泌され、精子が子宮内に入りやすい環境を作ります。
この粘液が少ないと精子が子宮内に到達出来ないので、その分泌について調べます。
⒊内分泌検査
血液を採取して各ホルモン検査を行います。
不妊原因のうち排卵障害は20パーセント以上を占めるといわれ、それに関わるホルモン検査は、最も重要な基本検査のひとつです。
ホルモン検査には、下垂体から放出されるホルモン(卵巣を刺激する卵胞刺激ホルモン[LH]・黄体形成ホルモン[FSH])、女性ホルモン・男性ホルモン、黄体ホルモン(プロゲステロン)、母乳を分泌するプロラクチンや甲状腺ホルモンの検査が含まれます。
⒋クラミジア抗体検査
クラミジア感染症は、性感染症として水平感染と上行感染による卵管炎から骨盤内炎症性疾患を発症するのが特徴です。
卵管炎の後遺症として卵管狭窄、あるいは卵子のピックアップ障害と関連が深い卵管周囲癒着などの器質的障害をきたし、卵管性不妊症や卵管妊娠の原因になります。
ところが女性では90パーセント以上は無症状で、感染に気づかないことが多く、そのまま放置されることが多いです。
⒌卵管疎通性検査
卵管疎通性検査には卵管通気法、子宮卵管造影法、超音波下卵管通水法の3種類があります。
【卵管通気法】
卵管の疎通性を診断することは可能ですが、卵管の左右別の疎通性を判定することはできないとされています。
繰り返して行うことが可能であり、体に負担の少ない方法です。外来で容易に実施できるのが利点です。
【子宮卵管造影法(生殖医療の必修知識 一般社団法人日本生殖学会編抜粋)】
不妊原因の検索の基本的検査です。月経開始から10日以内に行われるX線検査です。
子宮内腔に侵入したバルーンを膨らませ、造影剤を注入することにより、子宮からから卵管を通り腹腔内へ造影剤の広がりをみる検査です。
【超音波下卵管通水法】
卵管疎通性検査というよりは、卵管通過障害、卵管形成術後の癒着防止のためなど治療を目的として行われることが多い方法です。
⒍頸管因子検査(生殖医療の必修知識 一般社団法人日本生殖学会編抜粋)
不妊症の原因のうち頸管因子は数%存在すると考えられています。
子宮頸管より分泌される頸管粘液は、子宮内腔、卵管へと進む精子の通路になるだけでなく、精子の取り込み、貯蔵、選択、活性といった生殖生理において重要な役割を担っています。
頸管因子が原因の不妊症では頸管粘液の分泌に異常がある場合と、頸管粘液と精子の適合性に問題がある場合があります。
従って、それぞれに対する頸管粘液検査や精子頸管粘液適合検査(Huhnerテスト)があります。
Huhnerテストは性交後試験とも呼ばれています。
Huhnerテストとは性交後に膣内、頸管粘液内の運動精子の存在を調べる検査です。
Huhnerテストに異常が出た場合、抗精子抗体などの免疫因子の存在のほか、乏精子症や精子無力症といった男性因子が存在する可能性があります。
しかし、検査施行のタイミング、検査方法、結果判定についても、施設ごとに独自の基準を設定して行われているのが現状です。
Huhnerテスト異常症例においても、性交後にダグラス窩の腹水摂取して調べると高い頻度で精子が存在することが報告されています。
これらの事から、Huthnerテストは不妊治療をステップアップするという明らかなエビデンスはないと言えます。
男性の不妊検査(一般社団法人 日本生殖医学会)
http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa07.html
⒈精液検査
1か月以内に少なくとも検査を2回行います。精液は、2〜7日の禁欲期間(射精しない期間)の後に採取し、禁欲期間は記載するようにします。
精液量、総精子数、精子濃度、総運動率、前進運動率、生存精子率、正常形態率などをみます。
精液検査で無精子症であった場合でも、複数回の精液検査を施行しない限り無精子症とは断言はできません。
10年間不妊鍼灸整体治療を通し不妊治療に携わり、ふくもと治療院が臨床現場で向き合ってきて感じていること
皆さん必死に頑張っています。でも頑張りすぎて焦っています。焦りはどこからくるのか。
「時間はお金では買えない」焦る方が多いのです。収集している情報は正しいのか?正しく焦ることが大切。
来院された方の多くが「当院に来てなんだか安心できた」と言います。その安心はどこからくるのか。
それは「進んでいく方向性がみえくるから」だと思います。
情報が無数にあり、何が正しいのか、選択肢を迷う方も多いと思います。妊活食事、妊活サプリ、妊活漢方、妊活鍼灸、不妊治療の専門病院、高度生殖医療など妊活を取り巻く環境は様々です。患者さんの状況を把握し、正しい情報を提供し、最適解を一緒に探してていきます。
ご夫婦の夢、赤ちゃんを抱っこしたい、抱っこさせたいという前向きな想いに寄り添い、これまでの経験を総動員します。この場所には不妊治療での情報や経験が積み重なっています。さらに鍼灸院という続柄、どこにも縛られず、忖度なく、癒着もなく、患者さんが経験してきたことだけをみてきました。
ただし、取り組んでいる状況、身体の状態、不妊治療の検査結果がそれぞれ違うだけに伝えることが変わってきます。
しかし、全ての妊活に取り組む上で、身体からのアプローチは不可欠です。なぜならそれらの選択を選んで実行していくことは、身体、心にも影響してきます。
その一番大切な土台となる身体を整えることは、結果として人生を豊かにしてくれます。
上記で説明した、不妊検査は不妊の原因を知るためにとても大切です。
しかし、検査をしても不妊の原因がわからなかった場合やHuhnerテストやAMH=卵巣年齢のように、現時点ではグレーな検査も沢山あります。
そのような場合は、不妊治療を急いでステップアップする明らかなエビデンスはないと言えます。
薬の副作用で、卵巣過剰刺激症候群により内膜が薄くなったり体重増加・倦怠感などの弊害もあることを知らなくてはいけません。
妊活に取り組んでいる方も、これから妊娠を希望する方も、答えは内にあります。
キーワードは「身体」と「正しい情報」です。
そして、「子どもは授かりもの」ということを忘れないで欲しい。
いつかこのブログが誰かの役にたちますように。
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