【自然分娩と無痛分娩について】助産院で３人出産した体験談。

2020.12.03

渋谷にある鍼灸整体、ふくもと治療院にいらっしゃる患者さんから、「自然分娩と無痛分娩、どちらがいいですか？」という質問をよくいただきます。

「お産」と言っても、その方法の選択肢は多岐にわたります。

自然分娩、無痛分娩、計画分娩、帝王切開、呼吸法、クリニックなのか病院なのか助産院なのかなど、多種多様な選択肢を前に、「一体何を選べば正解なのか」と、悩んでしまう人も少なくないと思います。

特に、近年話題になっている無痛分娩に関しては、その賛否についてもさまざまな意見があります。

無痛分娩とは

麻酔を使用して、出産のときの痛みを和らげながら出産する方法です。

出産の痛みは、子宮の収縮による陣痛と、赤ちゃんの頭によって、膣や外陰部などが押し広げられるときの痛みがあり、これら痛みを麻酔によって和らげます。

米国やフランスでは、６割以上の妊婦が利用している一方で、日本ではたったの１割未満です。

元々は、心臓病や高血圧などの持病を抱える方には、無痛分娩を勧めることがありました。

出産の際のいきみ具合も人によってまったく違うので、心臓病や高血圧といった持病があるからといって、必ずしも無痛分娩でなくてはならない、ということはありません。

昨今の日本では、産後の母体の回復が早いといわれており、無痛分娩を選ぶ方も増えているとのことです。

無痛分娩の場合、麻酔を使うことにより陣痛が弱くなり、お産が進まなくなるので、促進剤を使うことになります。吸引や鉗子を使うことも多くなります。

上記のことも知った上で、選択して欲しいなと思います。

自然なお産

「お産」とは、１００人いれば１００通りのお産があり、一人目二人目と子どもが違えば、また違うストーリーがあります。誰ひとり同じお産はありません。そして、何かをしたから絶対に安産ということは言えないのです。

今でこそお産のやり方が色々と選べる時代ですが、もともと女性はずっと昔から赤ちゃんを産んでいるんです。

その脈々と受け継がれた命があるからこそ、今の自分があるのです。

現代の女性は、出産に対する不安感が強く、出産に対してもマニュアルを欲しがる傾向があります。

自分の力で産むという意識ではなく、産ませていただくというどこか他人任せのような感じにも受け取れます。

どんな出産でも、異常があれば医療の介入が必要になります。

しかし、結果としてお母さんが本来持っている生理的本能を使い、医療者が介入しないお産は、「自然なお産」と言えるのではないでしょうか。

３人を助産院で出産した体験談

まず初産から助産院を選んだ理由は、野口整体の産後の過ごし方を実践してみたかったからです。

野口整体の産後の過ごし方については、下記のブログに詳しく載っています。

https://fukumoto-physio-tokyo.com/blog/1754

夫婦ともに鍼灸師の我が家は、妊娠中の過ごし方や産後の肥立ちの大切さをとても大事に考えています。

私が出産した埼玉県所沢にある「もりあね助産院」では、妊娠中の検診も１時間近く時間を割いて下さり、本当に一人一人に寄り添い不安や悩みに耳を傾け、お産に向けてお母さんが自信を持てるように細かなアドバイスをくれました。

また、総合病院との医療提携がしっかり出来ているので、初産でも不安は少なかったです。

お産は、分娩台はありません。横向き、たち膝、四つん這いなど、ご自身のスタイルでお産が出来ます。

一人めの出産の時の陣痛は９時間でした。

薄暗く暖かい空気に包まれている部屋で、信頼のおける助産師さんと主人と今まで体験したことのない痛みと過ごしました。お産の最後の方は意識が朦朧としていたため、あまり覚えていないのですが、主人は途中おにぎりを出してもらい休憩したりもしていたみたいです。

６年経った今でも覚えているのは、赤ちゃんが無事に産まれて来た時の感動なのか？それとも達成感なのか？安堵なのか？とにかくその時に感じたエネルギーは後にも先にも一番強いものでした。

この感覚は、夫婦とも同じです。

産後の育児中にも、痛みを伴うことや精神的にきついことは沢山ありました。

後陣痛に始まり、乳腺炎、乳首が切れ流血、２時間おきに起こされる日々が約一年続く、子どもが熱を出せば丸三日間ほとんど眠れない睡眠不足、自分の食事は後回しになり冷え切った食事を立って食べる日々など。あげ出したらきりが無いのでこの辺にします。笑

しかし、「お産の時のあの痛みを乗り越えられたんだから、今回も頑張れる！」と育児の糧になったと個人的には思っています。

そして妊婦健診に始まりお産、産後の入院と最高に良い思いがあるので、「またあの助産院で出産したい！」と思えてしまうのです。今でも、時々遊びに行かせていただいたり、長いお付き合いをさせてもらえています。

もりあね助産院さんで出産されている方は、３人や４人お子さんがいる方が本当に多く、少子化なのか？と疑うほどです。それだけ皆さん「自然ないいお産」をしているということなのだと思います。

おわりに

妊娠・出産については、最後まで本当に何が起こるかわからないものです。

予定外のことが起こるのは、当たり前なのが、お産です。

「自然分娩」「無痛分娩」「帝王切開」など、自由に選択できる時代だからこそ、妊婦や家族の側も、どのような体制でどのような手法でなされる分娩を希望するのか、そして、安全なのかを考え、しっかり納得した上で選択をしていかなければいけないと思います。

だからこそ、少しでも自信を持ってお産に臨めるように、正しい知識を学び体を整えることが大切です。

お産は、長い人生の中でも数える程しか経験できません。お母さんが納得する形をみつけて、出産に臨めることが一番望ましいと思います。

渋谷にある鍼灸整体、ふくもと治療院では、女性の妊娠・出産から産後の体のケアも含めトータルサポートしていきます。

このブログがいつか誰かの役にたちますように。