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AMH検査とは?検査でわかることと卵子の質を上げる方法

AMHとは?/卵胞から分泌されるホルモン

不妊治療を始めた時にほとんどの病院で最初に受ける検査、AMH検査。
しかし、AMH自体にどのような意味があるのかはあまり知られていないように思う。
当院に来る患者さんの中にも、AMHが低いから妊娠率が低いと誤解して不安に感じている方が度々居るが、全く不安になる必要はない。

AMHとは抗ミュラー管ホルモンの略称。卵巣内で発育途中の卵胞から分泌されるホルモンだ。
卵胞の中には卵子が入っており、栄養が満たされた卵胞の中で、卵子は排卵に向けて成長をする。
そもそも、女性は生まれた時点で約200万個の卵胞を卵巣の中に持っている。思春期になり初経を迎えるまでに約50万個ほどに減少する。その後、卵胞の数は増えることはなく、年齢とともに徐々に減少していく。
卵胞は排卵に向けての指令が来るまで、成長せずずっと眠った状態で卵巣の中に存在している。
指令が来ると、毎月15〜20個程度の卵胞が同時に発育を開始し、約3ヶ月〜6ヶ月の時間をかけて成熟卵胞まで育っていく。この成長過程で出るホルモンがAMHだ。
ちなみに成熟卵胞まで育ち切るのは原則1つで、毎月の排卵周期に1つの卵子が成熟卵胞から排卵される。1つ以外の卵胞は順次閉鎖卵胞となり途中で成長を止める。

AMH検査でわかること/卵巣予備能

卵胞の成長過程で出るホルモン、AMH。この血液中に含まれるAMHの濃度を測ることで、発育過程の卵胞の数(量)を推測することができる。
つまり、卵胞がどの程度卵巣に残っているかを推測する指標にできるというわけだ。

AMHの数値=卵巣年齢ではない!

ここで声を大にして伝えたいのが、AMHの数値=卵巣年齢ではないということ。
AMHの数値と、年齢との相関関係は認められていない。高齢でも数値が高い人もいるし、20代でも低い人だっている。つまり個人差が非常に大きいものなのだ。
病院で年齢別の平均値という表を見た人も多いと思うが、あれは同年代の女性の平均値(卵胞の数は加齢にともなって減少するため、AMHの数値の平均も減少していく)。平均と比較して数値が高いか低いかで、今後の治療方針を判断する目安として使うもの。決して卵巣の年齢を計るものではない。

また、AMHの数値は測った時の自身のコンディションで多少変化がでる。風邪をひいていたり疲れている場合は下がることもあるし、体調を整えることで上がることもある。

当院に来られた30代の女性は「AMHが0.1しかないんです」と当初悲しそうに言っていたが、鍼灸治療を始めて2ヶ月後、「再検査したら0.5に上がってました!」と喜んでいた。また過去には44歳でAMH0.9で1年間採卵できなかった方が施術してから2.7まで急上昇して半年後に妊娠したケースもある。変わらない人もいるが、変わる人もいる。

詳しくは過去の院長ブログも参照して下さい。生殖医学会専門医の教科書からAMHについて根拠を抜粋しています。

AMHの値が低いと妊娠率が低いは誤り

AMHの数値が低いから妊娠できない…ということではない。
AMH検査でわかることはあくまで卵胞の数であって、卵子の質はわからない。
実際に妊娠するかどうかについては、AMHの数値よりも卵子の質が重要である。卵胞の数が少なくても、質の良い卵子が1個あれば妊娠する確率は高くなる。

そもそも、不妊治療は卵子の質を上げるものではなく、限りある卵子(卵胞)を有効活用して妊娠する可能性を高めるものだ。体外受精では、AMHの数値が高く採卵できる卵子が多ければ、排卵促進剤等を使用して数を増やし、受精の回数を増やすことで妊娠率を上げる。AMHの数値が低いのであれば、多くの卵子を1度に採卵することはできないかもしれないが、薬はなるべく使わずに自然に成長した質の良い1〜2個を採卵して受精させる方法が取られる。
AMHの値が低いことで多少治療方法が制限されることもあるが、妊娠率が低いわけではない。

※反対にAMHの値が高すぎる場合は多嚢胞性卵巣症候群といって、排卵障害によって排卵されていなかった可能性があるため、AMH検査は不妊治療において大切な検査だと言える。

卵子の質を上げる方法

血流を良くする

東洋医学では血流が悪い状態を「瘀血(おけつ)」と言い、不妊症の原因の1つとされている。
卵巣にホルモンや栄養分を送るのは血液(赤血球)だ。血流が良ければホルモンも栄養も効果的に卵巣へ運ばれ、卵子の質も良くなる。卵子を形作る細胞に栄養が豊富ということは、受精も胚分割も着床も正常に行われるということだ。
血流を良くするためには筋肉や関節の緊張を取り除くこと、体を冷やさないこと、浮腫を取ることなどが有効である。

睡眠の質を上げる

睡眠不足になるとホルモンの分泌バランスが狂ってしまい、排卵が不安定になるおそれがある。
また、不眠症や途中覚醒で悩んでいる人の大半が首肩こりを自覚している。当院に不妊鍼灸を受けに来る女性も首の筋緊張が強い方が多い。これを緩めることで眠れるようになり睡眠の質が上がり、妊娠する可能性が高くなる。

体の不調を取り除く

頭痛、肩こり、首こり、腰痛、膝痛、めまい…原因不明の不妊症ではこれらの不調を取り除き、妊娠しやすい健康的な体づくりをすることが重要だ。
体が健康であれば心も明るく前向きになれる。体と心が元気であれば、生殖機能は亢進し卵子の質も上がる。不調やストレスを溜めない生活も大事だと言える。

以上の3点、実は不妊鍼灸の得意分野である。
→【妊活不妊鍼灸整体30代女性症例】不眠、浮腫み、肩首こりが改善し、3ヶ月で妊娠!

「AMH検査の数値が低かった、私は卵子の量が少ないんだ」と落胆しないで欲しい。
低い人にはそれに合わせた不妊治療の方法がある。量よりも質を上げるための不妊鍼灸もある。
AMHの数値に一喜一憂する必要などない。自身に合わせた方法を選択する材料として前向きに捉えてもらいたい。

※効果には個人差があります。

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Author Profile

福本晋平
福本晋平[東京都渋谷区渋谷駅の鍼灸整体院]ふくもと治療院院長
【鍼灸師】母の病をきっかけに治療家として鍼灸医学自然療法の道を志す。
最高の鍼灸を追求しようと日本各地、中国、韓国に渡る。
5年間の住込み修業を経て、姿勢・歪み治療専門の鍼灸整体院を渋谷桜丘町南平台そばに開院。
全国、海外から訪れる方の鍼灸治療に従事 不妊症、逆子など妊婦さんの鍼灸治療も行う。
「身体の癖・歪みを改善に導くことで自然治癒力を最大限引き出す」

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